報道関係資料

世界で初めてCPUをプラスチック基板上に形成し駆動に成功

2004年4月7日
株式会社半導体エネルギー研究所


 株式会社半導体エネルギー研究所(社長:山﨑 舜平、神奈川県厚木市)はプラスチックチップ基板上に薄膜トランジスタ(以下TFT)を用いたCPUを形成することに成功いたしました。この技術は以前より株式会社半導体エネルギー研究所が研究・開発している高性能TFT技術を用いてCPUをプラスチック基板上に形成し、動作させることに成功したものです。

 低温ポリシリコンTFTはアモルファスTFTに比べて数十倍から数百倍の電子移動度を有し、画素と同一のガラス基板上にドライバ回路を形成できるという利点があり、現在、PDA、デジタルスチルカメラ、携帯電話、ノートPCといった広範囲にわたる電子機器のディスプレイ、特に高精細を特徴としたディスプレイに使用されております。また、ポリシリコンTFTで構成される回路はドライバ回路に限定されず、メモリ回路や電源回路、コントロール回路なども実用化が始まっており、これらの技術開発によってシステムディスプレイに向けての進歩がさらに進んでいくと思われます。
 一方、ポリシリコンTFTを用いた集積回路(LSI)において、別の面から着目されている技術としてあるのがプラスチック基板上にTFTを形成する技術です。ガラスより軽量であり、耐衝撃性能のすぐれたプラスチック基板上にTFTおよびその回路が構成できればフレキシブルで軽量の理想的なシステム化されたディスプレイを提供することが可能になります。
 今回、株式会社半導体エネルギー研究所では高性能ポリシリコンTFTをプラスチック基板上に転写する技術を開発し、世界で初めてプラスチックフィルム基板上にCPUを形成させ駆動することに成功しました。これはプラスチック基板上のシートコンピュータの実現に向けた最初の一歩となります。(図1にCPUチップの写真を、図2に基板全体の写真を示していますが、写真にあるように基板を曲げることが可能です。)
 このようにして、弊社では、プラスチック基板上のTFTによるCPUを実現することが可能になり、3.3Vの電源電圧において13MHzの動作を行なうことができました。
 このようなプラスチック基板上のCPUのアプリケーションとしてはウエアラブルコンピュータや、システムディスプレイなどへの応用が考えられます。株式会社半導体エネルギー研究所では今後さらにプラスチック基板上のシステム開発を行なっていきます。この方式はプラスチック基板に限定されることなくあらゆる表面での接着が可能となり、例えばLSI上にLSIを接着する、ELディスプレイ表面にCPUを接着することなども可能です。

 尚、今回開発したプラスチック基板上のCPUは、2004年6月15日~17日にハワイでおこなわれる2004 Symposia on VLSI Technologyにおいて発表する予定です。
(セクション22-2 論文1029)

連絡先:神奈川県厚木市長谷398 株式会社半導体エネルギー研究所
電話:046-248-1131

CPUチップ
■ 図1
CPU基板
■ 図2