
世界初となる、酸化物半導体とシリコンLSIのハイブリッド。
無限に広がる酸化物半導体の応用可能性。
酸化物半導体LSI(OSLSI®)をメモリ、CPU、FPGAに応用。
酸化物半導体の低消費電力を、シリコンLSIに組み合わせることで、従来にはないデバイスの実現が可能となります。シリコンCMOS回路の上に酸化物半導体を積層したOS/Siハイブリッド構造のLSIにより、シリコンLSI電子デバイスを、省エネ型の電子デバイスに発展させる可能性が生まれます。結晶性酸化物半導体を用いたFET(crystalline oxide semiconductor FET:以下、OSFET®) の極小オフ電流は、不揮発性メモリ、CPU、FPGA、イメージセンサ、等の様々な電子デバイスにおいて究極の低消費電力を実現します。
DOSRAM®
(Dynamic Oxide Semiconductor Random Access Memory)リフレッシュを極限まで減らし極低消費電力なデバイスを実現。

トランジスタとしてOSFETを用いることにより、従来のDRAMではミリ秒以下の周期で必要であったリフレッシュ回数を、1時間~年に数回まで減らすことができる利点に加えて、高速動作も可能です。
また、OS/Si Hybrid構造を用いることにより、センスアンプとDOSRAMを積層することができ、データ書き込み読み出しのエネルギーを小さくすることができます[1]。
[1] T. Onuki et al., “Embedded Memory and ARM Cortex-M0 Core Using 60-nm C-Axis Aligned Crystalline Indium-Gallium-Zinc Oxide FET Integrated with 65-nm Si CMOS”, IEEE Symp. VLSI Circuits Dig. Tech. Pap., 125 (2016).
NOSRAM®
(Nonvolatile Oxide Semiconductor Random Access Memory)原理的に書き換え回数の制限がないメモリを目指して。
OSFETの極小オフ電流を利用した電圧駆動型の低電力記憶デバイスです。無制限の書き換え回数、高速かつ低電力での、多値の書き込みが可能な新しい不揮発性メモリが実現できます。NOSRAMセルは、電荷を保持することで、データを記憶します(右図)。そのため、書き込み電圧を細かく制御し、さらに、素子間のばらつきを抑えることで、1つのセルに多くの情報を詰め込むことが可能になります。当社では、2014年に4bit/cellのNOSRAMを開発[1][2]、そして現在は6bit/cell(64値)、電圧値の分布幅:25mVを達成し、今までにないメモリの高密度化の可能性を示しました。

[2] T. Matsuzaki et al., “A 128kb 4b/cell Nonvolatile Memory with Crystalline
In-Ga-Zn Oxide FET Using Vt Cancel Write Method”, IEEE Int. Solid-State Circuits Conf. Dig. Tech. Pap., 125 (2015).
FPGA
(Field Programmable Gate Array)電源再投入時に配線つなぎ直しが不要の再構成可能な論理回路。
ユーザーが内部の配線をつなぎかえることができる集積回路。配線の接続構成を記憶するためにNOSRAMを使用しているため、一般のFPGAとは異なり、電源投入時の配線つなぎ直しが必要ありません[3]。
ノーマリオフ駆動1)型 32bit CPU
(NoffCPU®: 32-bit Normally Off Central Processing Unit)プロセッサの電源オフ時でも内部情報を保持。32-bitプロセッサARM Cortex®-M0の低消費電力化に成功。
(COOL Chips 2014にて、ARM社・NOKIA社と共同発表)

「センサーネットワーク」へ。スタンバイ電力”0(Zero)”のCPU。
シリコンLSIでは微細化に伴うスタンバイ電力の増加が課題でしたが、OSFETを利用したノーマリオフ駆動により、センサーネットワークを想定したCase2 やCase3(下図)の動作条件で、CPUとメモリの電力を大幅に削減することが可能となりました。
シリコンLSIでは微細化に伴うスタンバイ電力の増加が課題でしたが、OSFETを利用したノーマリオフ駆動により、センサーネットワークを想定したCase2 やCase3(下図)の動作条件で、CPUとメモリの電力を大幅に削減することが可能となりました。

Case1:アクティブ1ms,スリープ1ms
Case2:アクティブ1ms,スリープ1s
Case3:アクティブ1ms,スリープ100s
Case2:アクティブ1ms,スリープ1s
Case3:アクティブ1ms,スリープ100s
1)ノーマリオフ駆動
CPUの待機時に電源をオフすることで、CPUの消費電力を削減する技術。通常のCPUでは、電源が遮断されるとデータは失われます。そのためノーマリオフ駆動を行うには、電源オフの前後に毎回データ転送を行う必要があり、電力削減の妨げとなっていました。OSFETを用いたCPUは、電源をオフにしても内部状態を保持できるため、効率よく電源をオンオフすることができ、待機電力がゼロの低消費電力CPUを実現することができます。
[4] T. Ohmaru et al., “Eight-bit CPU with Nonvolatile Registers Capable of Holding Data for 40 Days at 85℃ Using Crystalline In-Ga-Zn Oxide Thin Film Transistors”, Ext. Abstr. Solid State Dev. Mater., 1144 (2012).CPUの待機時に電源をオフすることで、CPUの消費電力を削減する技術。通常のCPUでは、電源が遮断されるとデータは失われます。そのためノーマリオフ駆動を行うには、電源オフの前後に毎回データ転送を行う必要があり、電力削減の妨げとなっていました。OSFETを用いたCPUは、電源をオフにしても内部状態を保持できるため、効率よく電源をオンオフすることができ、待機電力がゼロの低消費電力CPUを実現することができます。
[5] SSDM Paper Award
http://www.sel.co.jp/news/news/2013-09_ssdm.html
[6] ARM社・NOKIA社と共同発表。H. Tamura et al., “Embedded SRAM and Cortex-M0 core using a 60-nm crystalline oxide semiconductor”, IEEE Micro, 34, 42 (2014).
イメージセンサー
(Image Sensor)グローバルシャッター方式2)のイメージセンサーを実現。
OSFETのオフ特性を利用して実現したイメージセンサー。この技術により超高速で移動する物体でも歪まずに撮像できます[7]。
2)グローバルシャッター方式
デジタルカメラ等で主流のローリングシャッター方式(走査ラインごとに順次シャッターを切る)に対し、一画面同時にシャッターを切る理想的なイメージセンサーの稼働方式。
※ OSLSI 、OSFET、DOSRAM、NOSRAM、NoffCPUは半導体エネルギー研究所の登録商標です(商標登録第5698906号、第5519759号、第5519752号、第5529056号、第5519756号)。CortexはARM 社の商標または、登録商標です。