IEDM(International Electron Devices Meeting)発表内容

2005年12月5日
IEDM(国際電子デバイス会議)


 株式会社半導体エネルギー研究所(代表取締役:山﨑 舜平、神奈川県厚木市)とTDK株式会社(社長:澤部 肇、東京都中央区日本橋)はフレキシブル基板上・ガラス基板上にRFCPUを形成することに成功いたしました。

 この技術はTDK株式会社が生産しているアモルファスセンサなどの薄膜技術と株式会社半導体エネルギー研究所が研究・開発している高性能薄膜トランジスタ技術で構成したRFCPUをフレキシブル基板およびガラス基板上に一体形成したものです。今回の技術はCPUにアンテナおよびアナログ回路、暗号機能およびID(Identification)機能を追加し、ガラス基板およびフレキシブル基板上に作製したRFCPU(8bit パッシブ型)を13.56MHz帯のRF信号で動作させることに世界で初めて成功したものです。

 近年、Siウェハ上のLSI製造プロセスを用いたRFIDの量産が進んでおります。コストダウンとフレキシブルアンテナと貼り合わせたRFIDの耐久性の向上のために、チップサイズ縮小が進められていますが、後工程におけるチップの取り扱いが困難となり、チップコストとパッケージングコストのトレードオフで価格が決定しています。一方、CPU内蔵などの高機能のRFIDの開発も進んでいますが、高機能化に従ってチップサイズが増大しており、Siウェハ上のLSIでは曲げなどの物理的負荷に耐えないと言う課題があります。そのためにフレキシブルアンテナと高機能RFIDの組み合わせは、実現されていませんでした。
 我々は、ガラス上に暗号処理機能を有する無線CPUを世界で初めて作製し、ガラス上に形成した高性能なRFCPU回路を、13.56MHzのRF信号で動作させることに成功しました。加えて、フレキシブル基板上に転置させてフレキシブルRFCPUを形成することに成功しました。低温(550℃まで)のTFT製造プロセスラインの大型ガラス基板を用いることが可能であり、低コスト化の道が開けました。また、フレキシブル基板のRFCPUにまで展開することにより曲げに強くなり、機能拡張によってチップが増大してもフレキシブルディバイスに応用可能になります。

 本RFCPUの特長を表1にブロック図を図1に示します。アナログ回路としてRF回路およびアンテナを有し、ディジタル回路として8ビットCISCアーキテクチャのCPUを含むロジック回路を有しております。ロジック回路において、CPUはガラスおよびフレキシブルRFCPU向けに新規に開発いたしました。通信には13.56MHz帯域のRF信号を用い、通信規格、プロトコルは、ISO/IEC 15693に部分準拠のパッシブ型RFIDとなっています。本フレキシブルRFCPUは高速動作、高機能を活かすために暗号機能を追加しており、71000個のTFTを用いており、2KBのマスクROMと、64BのSRAMを有しております。

 このたび開発したRFCPUの外形写真、チップ写真を図2、図3に示します。今回のRFCPUは13.56MHzのRF無線信号で通信および演算機能をおこなうため、外部電源などは必要とせずに動作することが可能になります。従いまして、アンテナを実装するだけで使用することが可能になります。

 今回のRFCPUは2005年12月5日に米国ワシントンDCでおこなわれましたIEDMで発表され、また2006年2月上旬サンフランシスコでおこなわれますISSCCにおいて、発表予定です。



■ 表1.RFCPUの特徴


■ 図1.RFCPUブロック図


■ 図2.RFCPU外観

■ 図3.RFCPUチップ写真

※詳細は、2005年12月16日付 日経産業新聞1面記事をご参照ください。