2012年6月1日

報道関係各位

シャープ株式会社
株式会社半導体エネルギー研究所

シャープと半導体エネルギー研究所が
ディスプレイを革新する酸化物半導体の新技術を共同開発

 シャープ株式会社(本社:大阪市阿倍野区、社長:奥田 隆司)と株式会社半導体エネルギー研究所(本社:神奈川県厚木市、社長:山﨑 舜平)は、高い結晶性を有する、酸化物半導体(IGZO)の新技術を共同開発しました。これにより、スマートフォンなどモバイル機器向けの液晶ディスプレイのより一層の高精細化や低消費電力化、タッチパネルの高性能化の実現が可能です。本内容の詳細は、6月5日から開催されるディスプレイの国際学会「The Society for Information Display(SID)」(米国・ボストン)で発表いたします。

 共同開発したIGZOは、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)により構成される酸化物半導体に結晶性を持たせたものです。現行のIGZOに対し、より一層の薄膜トランジスタの小型化や高性能化が実現でき、高精細化が進むスマートフォンなどモバイル機器向けの液晶ディスプレイへの採用が期待できます。さらには、有機ELディスプレイへの適用も可能です。今後の市場ニーズに備え、両社で研究開発を進めてまいります。

 今後、IGZOの新技術を採用した液晶ディスプレイの早期実用化を目指すとともに、ノンディスプレイ用途のデバイスへの応用展開についても研究開発を進めてまいります。

■試作したディスプレイの仕様■

液晶ディスプレイ
画面サイズ 4.9型 6.1型
画素数 720×1280 2560×1600
画素密度 302ppi 498ppi
想定する用途 スマートフォン モバイル機器

有機ELディスプレイ
画面サイズ 13.5型 3.4型
画素数 3840×2160(QFHD) 540×960
画素密度 326ppi 326ppi
特長 白色OLED+RGBカラーフィルター フレキシブルタイプ

【報道関係者様のお問い合わせ先】
シャープ株式会社:広報室 大阪(06) 6621-1272 / 東京(03)3260-1870
株式会社半導体エネルギー研究所:(046)248-1131


■補足資料■

 シャープ株式会社と株式会社半導体エネルギー研究所は酸化物半導体の開発において、新しい結晶構造を見いだしました。両社で、この結晶構造をCAAC(C-Axis Aligned Crystal)と名付けました。

 IGZOの単結晶はC軸方向から見ると六角形構造、C軸に垂直な方向から見ると層状構造という特徴があります。(図1(a)、(b)参照)
これに対して、このたび見いだした膜では、平面TEM像より六角形構造、断面TEMより層状構造が見いだされ、結晶構造をもっていることがわかります。(図2(a)、(b)参照)

 この膜の膜表面とC軸の関連については、断面TEM画像によると、IGZO結晶のC軸は膜表面に対して垂直になっています。(図3(a)、(b)参照)それがこれらの膜を C-Axis Aligned Crystal(CAAC)と名付けた理由となっています。

 従来のアモルファスIGZOを用いたTFTではゲートBTに対する変動、特に光照射時のBTが問題になっておりました。CAAC-IGZOでは光照射BTによる影響を低く抑え、信頼性を改善することができ、より安定なTFTの作製に成功しています。(図4(a)、(b)参照)


【図面の説明】
C軸方向からみた結晶 C軸に垂直方向から見た結晶
図1(a)C軸方向からみた結晶 (b)C軸に垂直方向から見た結晶

CAAC-IGZOの平面TEM写真 CAAC-IGZOの断面TEM写真
図2(a)CAAC-IGZOの平面TEM写真 (b)CAAC-IGZOの断面TEM写真

CAAC-IGZOの断面TEM写真 C軸に垂直方向から見た結晶
図3(a) CAAC-IGZOの断面TEM写真 (b)C軸に垂直方向から見た結晶

光正バイアスストレス結果 光負バイアスストレス結果
図4 (a)光正バイアスストレス結果 (b)光負バイアスストレス結果
試験条件: +80℃ ±30V 印加時間2000sec 光照射10000lx L/W=6μm/50μm